下痢

下痢

下痢の場合:慢性か急性か.
急性の下痢で発熱,腹痛,嘔気嘔吐があれば腸管感染症である.突然発症する激烈な嘔気嘔吐と腹痛を伴うが次の朝にはケロリと改善している場合はお齲蝕ブドウ球菌毒素によることが多い.途上国の水による病原性大腸菌,海産物による腸炎ビブリオ,鶏肉・卵のサルモネラ,冬のカキによる小型球状ウイルス(2003年ノロウイルスと改名された)などが有名.
薬物ではサイトテック,ジギタリスが下痢を起こしやすい.

1.急性下痢

発症が急激で3週間以内に治まる下痢は,通常,感染,食中毒,薬物などが原因であることが多い.最近,似た症状を起こした家族がいる場合は,感染が示唆される.また海外旅行に行った場合は「旅行者下痢」,過去数週間以内に抗生物質を飲んだことがあれば大腸炎の可能性がある.エイズウイルスあるいは淋病,梅毒,リンパ肉芽腫,単純ヘルペスウイルスなどによる,直腸炎などの可能性を否定することも大切である.

症状から考えられる原因

吐き気,嘔吐を伴う水様性の下痢は毒素産生性細菌による食中毒が多い.激しい嘔吐は,ウイルス性腸炎あるいは黄色ブドウ球菌食中毒が示唆される.
発熱,出血を伴う下痢の場合は,O157に代表される毒素型大腸菌,サルモネラ,カンピロバクター,エルシニア,アメーバなどが疑われる.左下腹部の腹痛,しぶり腹などを伴うことがある.

診断と治療方針

急性下痢の90%以上は,症状は軽く,自己限定的で5日以内に単純な下痢止めなどにより回復する.しかし,症状が悪化する場合,あるいは7〜10日以上下痢が継続する場合,基礎疾患としてがあるばあい,高齢者,免疫不全状態などでは十分な検査と評価を初期から行う必要がある.

2.慢性下痢

2〜3週間以上続く下痢は慢性下痢として扱われる.最も多い原因としては,「過敏性腸症候群」である.また吸収不良症候群,腸液の分泌増加,潰瘍性大腸炎,クローン病,慢性感染症,大腸術後など.慢性下痢の15%に,医師の許可なく下剤を乱用する患者が含まれるという報告がある.

検査方針

検便検査,尿・血液検査,内視鏡検査,腹部CTなどが行われる.


 

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